touchのひとりごと

ただのヲタクのただのひとりごとです

りさちーとの思い出① なぜヲタクになったのか

ワイは小学校はサッカー、中高は野球部に入っていた。
高校卒業後も趣味はプロ野球観戦。贔屓球団は中日ドラゴンズ
このようにスポーツマン人生を歩んできたワイ。
今まで、アイドルに全く興味がなかった人間だ。

そんなワイが、なぜアイドルヲタクになったのか、そのきっかけとなる出来事を紹介したいと思う。




あれは、忘れもしない2014年3月13日の川崎のCLUB CITTA'でのでんぱ組.incのライブ。
友達に無理やり連れて行かれて観に行ったライブ。
そこには特に輝く、一人のアイドルがいた。




2014年3月13日

当時、ギリ大学3年の時だ。
ワイは友達のサムライ(仮名)と、ハリボー(仮名)と、石田(本名)と、最上もが(仮名&男)と、でんぱ組のライブに行った。
ちなみにサムライとハリボー以外は、全くでんぱ組に興味がなかったが、半ば無理やりというか、ノリでライブに付き合って今回のライブに参戦した。

でんぱ組の存在を知ったのは、このライブのもっと前だ。
最上もが(仮名&男)の家で、サムライがでんぱ組の番組を半ば強引に流していたので、多少なりとも前情報はあったが、最上もが夢眠ねむというメンバーがいる事以外は、ほとんどでんぱ組について何も知らなかった。

いや、もう一人、相沢梨紗というメンバーがいるのもほのかに覚えていたか?
ライブの数日前、サムライやハリボーから「相沢梨紗とワイの鼻の形がそっくりだw」とめちゃくちゃ笑われたから、ほのかに覚えていた。

全く性格も経歴もわからなかった最初は、メンバーの中で夢眠ねむの顔がタイプだったのは覚えている。

かくして、ライブ会場の川崎の

説明

CLUB CITTA'へ向かったワイら。

サムライとハリボーがペンライト持ってきていないパンピー組(ワイ、石田、最上もが(仮名&男))に「ペンライトないときついぞ!」と声を投げかける。
何がきついのかわからないが、そういうものなのか?と思いつつ、全くアイドルのライブに行ったことがない…むしろライブ自体初めてなワイには全くピンと来ていなかった。

会場に入ると、意外と人がいる。
ワイらのポジションはオルスタの会場内で本当最後方に位置していた。
ペンライトなど、いわゆるライブ必需品と呼ばれる物を一切持っていなかったので、会場内のロッカーを使うことなく、ライブまで待っていた。

あまりの人の多さに、途中でハリボーがはぐれてしまった。
かなりキャパがぎゅうぎゅう詰めのため、一度はぐれると再開は難しい。
サムライはこの事にとても嘆いていたが、ワイらパンピー組は"適当にライブを見て帰る"程度の気分だったので特に気にも止めなかった。

ライブが始まると今までまばらだったペンライトの光が一斉に点灯しだした。
推しごとに担当カラーがあり、その担当カラーによって自分のペンライトの色を変えるらしい。
その時は紫、緑、赤が多く、白は少なかった印象があった。

ライブが始まると、でんぱ組がよくわからない言葉を喋っている。
よく聞いてみると、色んな国の言葉を喋っているらしい。
後で知る、でんぱ組の代表曲「WWD」が始まった。

ヲタク達が一斉に放つ「あー!よっしゃ行くぞ!」の掛け声を合図にメンバーの名前を順に叫び出した。
お決まりの愛の手なのかと納得し、再度曲へ集中する。
メンバーそれぞれがネガティブな過去を暴露している。
それだけでも衝撃的だったが、曲が進むと、メンバーが順番にミュージカル風に歌い出す。
後で知るが、でんぱ組メンバーが、でんぱ組になる前に、奇跡的にメンバー同士で出会った時の思い出を歌詞にして歌っていたらしい。

個人的な曲の評価は置いておいて、ひたすら衝撃的だった先頭バッター「WWD」
ヲタク達の盛り上がりをみる限り、人気曲なのは理解できた。

次の曲は「でんぱれーどJAPAN」
でんぱ組の曲は、もはや所見でしかないが、この曲は軽快で、直感で好きだと思った記憶がある。

途中でサムライが二つ持ってるペンライトのうちの一本をワイに貸してくれた。
使い方を教わった後、どの色にしようか考えた。
顔は夢眠ねむが好きだから緑にするか。
前情報で知った1番人気の最上もがの紫にするか。

考えた末、点灯している人も少ないし、友達から「鼻が似ているから実質お前の姉だろw」とからかわれた数日前の出来事にあやかり、これも一つの縁だろう思い、脳内の深層心理にわずかに残っていた、相沢梨紗の白色にすることにした。

白色をつけたため、無意識に相沢梨紗へ注目を向けるワイ。
初めて聞く曲ばかりなので、正直、歌やダンスの良し悪しを感じる余裕が無かった。
無かったが…
なんと言えば良いか…
なんとなく…
直感的に…
輝いている…
相沢梨紗が輝いて見える!
この事だけは理解できた。

最初はヲタク達のダンスや声援(後にヲタ芸やコールだと理解)にばかり目を向けていたが、いつしか、ライブの最中は相沢梨紗のパフォーマンスに釘付けになっていた。
一見、清楚な相沢梨紗が、時には力強く、時には格好良く歌う。
当時は何が良いのかわからなかった。
でも見てしまう。
自然と輝く笑顔の相沢梨紗を。

でんぱ組というネーミングから、でんぱソング、いわゆる一般人からしたら少し宗教的な解読不能な曲ばかりと思えばそんなことはなく、楽しいイメージの曲をベースに多種多様な種類、雰囲気の曲を織り交ぜ、調和している。というイメージを持った。

多種多様な種類の曲を披露するぶん、相沢梨紗の様々な表情、歌声、パフォーマンスを見ることができ、どんどん興味のスパイラルにハマっていく感覚を覚えた。

気づけばライブも「ラストの曲」と掛け声が聞こえた。
今までは割とアップテンポの曲調が多かったが、このラストの曲は「くちずけキボンヌ」
さっきまで力強く、格好良く歌っていた相沢梨紗がアンニュイな雰囲気で歌う。
優しくも伸びのある歌声を会場に轟かせる。
圧巻のパフォーマンス。
初めて聞く曲、初めて見るライブ。
情報量が多すぎて頭が混乱してくる。
しかし、相沢梨紗の魅力はストレートに伝わってくる。
ラストの「くちずけキボンヌ」が終わる頃には相沢梨紗の虜になっていたのではないだろうか?。

「くちずけキボンヌが終わってしまった…」
終わりと共にでんぱ組が挨拶を済ませ、ステージから消えた。

最初は適当に聞いて帰ろうと思っていたのに、ライブ終わってしまった時には、悲しい気持ちさえなっていたと思う。
それほどまでに初めてのライブで、感動を身体で感じていた。

名残惜しいが、終わってしまったし、帰ろうとすると、サムライから「たぶんまだアンコールあるから」と引き留められた。

ライブ慣れしていなかったワイにとってアンコールがあるなんて目から鱗だ。
確かに他のヲタク達も帰る素振りがない。
それどころか、一人がアンコールを唱えると皆がアンコールを唱えだした。

アンコール!アンコール!アンコール!

当時、単純なアンコールの掛け声だったのか、工夫を加えたアンコールの掛け声だったのか忘れたが、ワイはアウェイな空間にたじろぎ、声を出せなかったが、アンコールの掛け声の度にペンライトを振るノリは見せた。

さっきまで絶叫のうずにいたヲタク達。
アンコールの掛け声も全力だ。
ヲタク達の声帯はどうなっているんだ?と疑問に思った。

ステージが一気に明るくなり、曲が始まる。
「IDLE」という曲らしい。
聞くとフィーリングでワイの好きな曲だった。
後で聞くと、BISというアイドルグループのカバーらしい。

余談になるが、ワイの高校の同級生がBISのメンバーだった。
知った当時はアイドルもでんぱ組も興味がなかったので、話半分に聞いていたが、こんな所で繋がるとは夢にも思わなかった。

次は「でんでんぱっしょん」
曲調も、でんぱ組のパフォーマンスも、ヲタク達もやたらテンションが高い。
その様子を見ればこの曲はでんぱ組の人気曲なのだろうと容易に想像できた。
先ほどの「くちずけキボンヌ」の相沢梨紗と、「でんでんぱっしょん」の相沢梨紗
全く同じ人間なのに、全く違う人間のようで、そういった多重面性を持ち合わせる相沢梨紗にさらに惹かれた。

でんでんぱっしょんでラストの曲らしく、再度でんぱ組がステージから姿を消した。

今度こそ終わりか…と思ったが、まだヲタク達は帰らない。
先ほどアンコールだったのに、まさかまたアンコールか?と思ったらそのまさかだった。

再度ステージにでんぱ組が再度現れた。
そして曲が始まると共に、ヲタク達がペンライトをオレンジ色に染め始める。

相沢梨紗の歌声から始まる「ORANGE RIUM」
ああ…ヤバイ。
先ほどから、どんどん上がっている、相沢梨紗に対する"好き"のボルテージが、この曲により、より一層際限なく上がってくる。

周りのヲタクが灯すオレンジ色が、夕焼けのようで、その雰囲気も相まって相沢梨紗の美しさを更に際立たせる。
この光景を目の当たりにすれば、初見であろうと、住む国が違おうと、誰しもが綺麗だという感想を抱くであろう。

夕焼けのようという感覚はワイだけではないようで、その後の口上にも夕焼けというワードが出てきた。
周りのヲタク達はよくこんな長い口上を覚えられるな。と思っていたが、ワイもこの口上を覚えたいと思った。

最初の相沢梨紗インパクトはもちろんだが、そもそもORANGE RIUMは曲が素晴らしい。
エモさもありながら、ヲタク達も楽しそうだ。
何より、相沢梨紗が楽しそうなのが何より嬉しい。

ORANGE RIUMが終わると、次は昨日発売したばかりの新曲「サクラあっぱれーしょん」とのことで、皆がペンライトをピンクに染めた。
2連続の染め曲に目がチカチカしそうだったが、慣れると非常に美しい。
サクラあっぱれーしょんという曲名の通り、会場に桜が咲いたように風光明媚(ふうこうめいび)な光景が広がる。
和風だが、テンポが軽快な音楽。
自然と身体が反応するような愉快な曲だ。
この曲もフィーリングで好きになった。

曲が終わり、本当にライブが終わったようで、でんぱ組のメンバーが挨拶をしてステージから消える。

ヲタク達が会場を出ようとしているから、今度こそ本当にライブが終わりなのだろう。

終わり後の余韻は凄まじく、頭の中では相沢梨紗でいっぱいだった。
CLUB CITTA'を出る際に、メンバーそれぞれの差し入れボックスだか、レターボックスだかが設置されていたが、相沢梨紗のボックスの差し入れが最も少なく、自分は目を疑った。
ペンライトの数もそうだが、こんなに素晴らしいアイドルなのに、なぜ他のメンバーよりファンが少ないんだ。といささか理解に苦しんだ。

しかし、その日はたまたまそうだっただけだと自分を落ち着かせ、友人と共に帰路につく。

序盤ではぐれたハリボーは、「はぐれなければ、もっと最高だったのに!」と言っていたが、なんやかんや楽しんでいたようだ。
なんでもORANGE RIUMの時に、見ず知らずのヲタクがオレンジのサイリウムをくれたらしい。
でんぱのヲタクの、優しさも垣間見れた気がする。

帰りは相変わらず鼻が相沢梨紗に似てたとからかわれたが、「ワイ、相沢梨紗のファンになるわ」と言うとその場にいた友達は皆、びっくりしていた。聞くところによると、最初冗談なんじゃないかと思っていたらしい。
しかし、サムライとハリボーは嬉しそうに、ワイという新規のでヲタを歓迎してくれた。

自宅に着いて物思いにふける。
なんだろう、この感覚。
今まで見てきた世界とは異なる世界。
第二の人生を歩んでいるかのような気持ちにすらさせてくれる。

曲を聴かなきゃ。コールを覚えなきゃ。ヲタ芸を覚えなきゃ。でんぱ組のこともっと知らなきゃ。相沢梨紗のこともっと知らなきゃ。
色んなヲタクの話を聞こう。色んなヲタクのつぶやきをみよう。沢山勉強して、もっとライブを楽しもう。

これから覚えることが沢山あるぞ。
そう思いながら、今日のライブの余韻にふけるワイであった。(完)



以上、相沢梨紗に魅了され、「りさちー好きのたっち」ことワイのヲタク人生が始まった時の話でした。